シルビア・ナカッチ プロフィール

音楽と魂、伝統と未来、科学と神秘をつなぐ声の旅人

シルビア・ナカッチは、アルゼンチン出身の作曲家・声のアーティスト・音楽療法士・教育者・研究者であり、グラミー賞候補にもなった世界的音楽家です。彼女は、南米、アフリカ、インド、ヨーロッパ、チベットなど、多文化の伝統的な音楽・歌・儀式を深く学び、それらを現代医療、教育、そして芸術活動に統合してきました。まさに「地球の歌の生き字引」であり、声と音の可能性を世界に伝える先駆者です。

活動の柱

❖ Vox Mundi School of the Voice

1990年代初頭に設立されたこの国際的な教育機関は、伝統音楽の保存・継承を軸に、ヒーリング、教育、舞台芸術などに活かすプログラムを提供。アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、日本、インドを中心に展開し、多くのアーティストやヒーラーを育成してきました。

❖ ヨガ・オブ・ボイス(Yoga of the Voice)

25年以上にわたり築き上げた、声と瞑想、身体知、音の叡智を融合させた独自メソッド。インド古典音楽(ラーガ)、ナーダ・ヨガ、心理学、即興音楽などが統合されており、世界中の教育者・ヒーラー・セラピストから高い評価を受けています。

❖ 教育者としての顔

サンフランシスコの**カリフォルニア統合学研究所(CIIS)**で教鞭をとり、音と意識、音楽療法、死生学、トランスパーソナル心理学の分野で革新的なプログラムを指導。また、ニューヨーク大学、アリゾナ州立大学、南米・欧州の大学でも講義を行っています。

 

 

音楽とヒーリングの統合

彼女の音楽は、北インド古典音楽(とりわけラーガ)、アフロブラジリアンの聖歌、アマゾン先住民の神聖な歌、電子音楽、即興演奏など多様な要素が融合されています。特に、音の持つ「ラサ(感情の本質)」を通して、聴く者を深い変容へと導く作品群は、世界中でヒーリングやスピリチュアルな実践に使われています。

彼女の歌声は、倍音と静寂、そして空間を感じさせる繊細な振動を帯びており、「祈りそのもの」とも評されるほど深い共鳴を生み出します。

 

 

インスピレーションと影響

◉ アリ・アクバル・カーン(Ali Akbar Khan)

北インド古典音楽の巨匠。シルビアは彼に29年間師事し、ラーガやラサの本質を体得。西洋音楽には欠けていた「感情と宇宙の結びつき」を、彼の教えから得ました。

◉ ナムカイ・ノルブ(Namkhai Norbu)

チベット仏教のゾクチェンマスター。音と意識、空(くう)の理解において深い影響を与え、シルビアのシャーマニックな側面と統合の感覚に多大な示唆を与えました

◉ パイ・ダリー(Pai Dary)

ヨルバ族シャーマンであり、音楽と儀式を通じた意識変容の教師。彼の存在を、シルビアは「霊的な父」と呼び、アフロ・ブラジリアンの文化的ルーツと音楽儀礼の奥深さを学びました。

◉ クライブ・ロビンス(Clive Robbins)

音楽療法の創始者の一人。彼の「共鳴的関係性」によるアプローチは、シルビアが声や音を通して他者と繋がる実践の礎となりました。

◉ Pauline Oliveros(ポーリン・オリヴェロス)

Pauline Oliveros(ポーリン・オリヴェロス)
 “ディープ・リスニング”の提唱者。音と空間、沈黙との関係性に新たな感覚を開いた存在。
 即興と実験音楽、そして「聴くこと」を深める哲学は、シルビアのアプローチの中核を成しています。

声のアートによる世界的活動

 

 

 

  • 教育・講演:医療、教育、死生観、トランスパーソナル心理学と音の融合に関する国際会議・講義多数

  • 国際リトリート:サンタクルーズやインド、日本などで開催される年次リトリートには、世界中のミュージシャンやヒーラーが集います

  • Vox Mundi Japan:2015年より日本でも活動開始。多くのファシリテーターが彼女のもとで学び、国内各地で声のワークを展開中。

主なアルバムと受賞歴

  • In Love and Longing(David Darlingとの共作/グラミー賞候補)

  • Medicine Melodies

  • Ah, The Healing Voice(全米音楽誌で年間最優秀ヒーリング音楽賞受賞)

  • Yoga of the Voice

  • Liminal(Todd Bostonプロデュース)

これらの作品は、Sounds Trueをはじめ、SiriusXM、Pandora、Echoes Radioなどで世界中に配信されています。

 

 

著書

  • Free Your Voice』(2012年/Sounds True刊)

  • 日本語版『声を自由に!!』(2016年)

また、音楽療法や意識研究に関する学術書にも多数寄稿しています。